たっくんとりんちゃんへ

お母さんからの手紙~人を育てる、すべての人へ

はじめの言葉

お母さんは、二人に伝えたいことがたくさんあります。
まだたっくんは7歳、りんちゃんは2歳だし、話したくても理解できないことも多いので、忘れないように書き留めておこうと思いました。
お母さんが、二人に、一番伝えたいことは、立派に生きてほしいということです。
立派に生きるというのはどういうことかも、少しづつ伝えたいと思っていますが、もちろん自分たちでも考え続けてほしいと思っています。
この世の中には、いろんなルールや、こうやらないといけないという固定観念や、私たちの発想をしばるものがたくさんあります。
でもね、世の中に本当にみんなで守らなければいけないような大切なルールは、ほんの数えるくらいしかないと思うよ。
こんなことを言うと、いつもご飯を食べているときに行儀が悪いだの、挨拶をしなさいだの、お礼を言いなさいだの、片付けなさいだの、あれやこれやうるさくルールを押し付けてくるくせに何言ってるんだといわれそうですが、でも本心ではそう思っています。
お母さんは、小言も多いけれど、だいたい気を付けて、小言を言っています。
何が何でもルールは守れ!と言いたいわけではないのです。
小言にいつも理由を添えているように、例えば、食事の時に行儀が悪いと気を悪くする人もいるので、食事はみんな気持ちよくしたいものだから、こうやった方がいい。日本ではこういうのはお行儀が悪いとされている、というようなことも伝えていると思います。
まあ何しろ、人は、いろんなことにしばられて生きていますから、しばられるのが通常状態の人は、人にもあれこれ自分の考えを押し付けてきます。
しばりを人にも適用してきます。まだまだそんな世の中です。昔よりはそれでもずっとよくなってきたよ。
昔は今より差別もたくさんあったし、今の方が、過去に学んで、暮らしやすくなっていると思うよ。
そして、こうやって少しづつ、人が暮らしやすくなってきたのは、自然とそうなった訳ではないと思っています。
じゃあどうやって、こんな今の、おじいちゃんやおばあちゃんが若かったころより豊かな世の中になってきたかというと、それは、そうなるように頑張った人たちがいるからですよ。
もっと便利な世の中にしよう、とか、こんな暮らしがしたい、と思って、あきらめずに努力してきた人がいるからですよ。
お母さんがどうしてそのことを知っているかというと、それは、本で読んで知りました。
昔から、そうやってみんなのために努力した人というのは、自分で本を書いたり、人がその人のことを書いたりするので、よく記録が残っています。
それを読めば、今のこの生活があるのは、こういう人たちが夢を叶えてきたからなんだと実感できます。
自然にこういう状況なのではなくて、人間が作り出して、豊かな生活ができているのだと理解できます。
人は、努力なしには、豊かさを手に入れることはできません。これも、いろいろな本の中で、立派な人がそう行動して結果を出しているので、それが真実だと思います。
人は、なんとなく、人がそういうからそうやっておこうと、他人本位に生きる人も多くいます。
ただこんな考えでは、人に左右される人生になって、立派なことなどできるはずがありません。
自分で考えて、世の中の役に立つような夢を持ち、あきらめないで成し遂げてほしいと思います。がんばってね。